2016.2.5
今回は、相続や贈与により不動産を取得した人が、その後不動産を売る時の譲渡所得税の取得費のお話です。
ざっくりしたお話をしますと、中古で買った1000万円の家を10年後に1200万円で売った場合、1200万円がそのまま課税されるのではなく、1200万円から1000万円を差し引いた200万円について譲渡所得税が課税されます(減価償却等考慮していません)。
では、先ほどの例で1000万円の家を売る前に死亡し、子供が相続して売却するときは、この1000万円を差し引いていいのでしょうか?
結論からいいますと差し引くことができます。これができないと税金が大きくことなりますので大事なところです。
では、詳しい説明を国税局のホームページから抜粋して見てみましょう。
1 相続や贈与によって取得した資産の取得費
譲渡所得の金額は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額です。
建物の場合は、購入代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた額です。
売った土地建物の中には相続や贈与により取得したものもあります。この場合の取得費は、死亡した人や贈与した人がその土地建物を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。
なお、業務に使われていない土地建物を相続や贈与により取得した際に相続人や受贈者が支払った登記費用や不動産取得税の金額も取得費に含まれます。
(注) 取得費が分からない場合などには、取得費を売った金額の5%相当額とすることができます(コード3258を参照してください。)。
ただし、この場合には、相続人などが支払った登記費用などを取得費に含めることはできません。
また、譲渡所得税の税率を左右する所有期間は、相続により引き継ぐことができるのでしょうか?
これも短期と長期の期間の差で(5年)19%もの税額の差が出てしまいます。
結論としてはこれも引き継ぐことが可能です。
2 相続や贈与によって取得した資産の取得の時期
取得の時期は、通常、売った土地建物を買い入れた日ですが、相続や贈与で取得したときは、死亡した人や贈与した人の取得の時期がそのまま取得した人に引き継がれます。
したがって、死亡した人や贈与した人が取得した時から、相続や贈与で取得した人が譲渡した年の1月1日までの所有期間で長期か短期かを判定することになります。
ライター司法書士長田
2017.7.25
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